朱鷺のことば
川崎十紀(かわさき とき)は言葉を話すことができない。 医者によれば精神的なものだというが、彼女自身はその理由を知らない。なぜなら、彼女は四年前を境に、それ以前の記憶を失っていたからである。 言葉と記憶の手がかりはただ一人の肉親、東北の小さな病院で亡くなった兄。 夏の始まり、十紀は旅立つ。兄が生涯を終えた場所、四年前、自分の記憶が始まった場所を目指して―。
キャラクターデザイン bomi
***の少女、川崎十紀(かわさき とき)は言葉を話すことができない。 医者の診断によれば精神的なものだというが、彼女自身はその理由を知らない。 なぜなら、彼女は四年前を境に、それ以前の記憶を失っていたからである。 それでも十紀はひとつだけ、言葉と記憶の手がかりを持っていた。 それは、兄・川崎連時の存在。 兄は十紀にとってただ一人の肉親であり、彼女の過去を知る人だった。 しかし、その兄は最後まで十紀の過去を語らず、東北の小さな病院で、短い生涯を終えた。 そして。夏の始まり、十紀は旅立つ。 兄が生涯を終えた場所。 四年前、自分の記憶が始まった場所を目指して−。 作品詳細情報
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