私立の名門、人倫学園の創立百周年記念事業として新校舎が建てられた。
しかし、その新しい学び舎は、ほどなくして様々な怪奇現象に襲われてしまう。
新校舎で次々と発生する霊障――
曰く、自身の内臓を使って夜通し自慰行為に耽る人体標本
曰く、夜のプールで自撮りに興じ、SNSに自ら心霊写真をアップする少女の霊
曰く、重大なニュースが流れた際、とあるテレビ局だけ通常放送していると歓喜する霊
曰く、野球部のボールに自分の名を刻み、反発係数を不正に操作して隠蔽する霊
曰く、セックスしないと出られない保健室、体育倉庫、等々……
このゆるふわだが、そこはかとなく恐ろしい霊障に、学生や教師たちはほんのりと苦しめられていた。
そんなこんなで、衣替えの季節。
学園側は、セックスしないと出られない部屋の問題だけを注視し、校内での不純異性交遊は許されないという事の本質から外れた見解を表明して、どういうわけかこの件を生徒会に丸投げした。
問題解決を一任されてしまった生徒会長の九鬼宗義は、大沢退魔師紹介所に除霊を依頼する。
そして、満月の夜。草木も眠る丑三つ時――
学園内の案内をすることになった宗義の前に現れたのは、とても愛らしい二人の少女だった。
見た目の幼さに反し、豊満な胸をした彼女たちは語る。
「胸の大きさは、霊力の強さに比例します。つまり――私たちは最強の退魔師です!」
宗義は、彼女たちがちょっと何を言っているのかわからなかった。
ただただ、***巨乳という言葉が頭の中を駆け巡っていた……