現代社会において、鬼は昔話や幻想世界の想像の怪物と思われがちだが、実は人間達と接触を絶って人里離れた山奥等でひっそりと暮らしていた。鬼の中には、人間に化ける能力を持ち、鬼社会の外交官的役割を担う「稀人」と呼ばれるごく少数の鬼達も存在していた。
その「稀人」のひとりである逢魔殿之輔(主人公)は、横浜は山手にある私立聖ムートン学院にやってきた。この学院には、平安時代、頼光一党によって討ち果たされた鬼の首領・酒呑童子の右手が、名刀「蛸切丸」によって封印されていた。しかし、最近になって学園校舎全体が、徐々に山梨県の方向に引き寄せられ、その「封印の間」から妖気が漏れ出し、魑魅魍魎が徘徊するようになっていた。山梨の方向には、鬼の身体が封印されており、もし鬼の身体と腕が交わることになれば酒呑童子が復活してしまう。
殿之輔は、この怪異の裏に隠された陰謀に立ち向かうことになるのだが……。
鬼族にあって、人に化けられる能力を持つ「稀人」の青年が、ミッション系スクールの校舎地下に封印された酒呑童子の腕を巡り、その酒呑童子復活を目論む「はぐれ鬼」や、異国の鬼の血を引く者らと、三つ巴の争いを繰り広げていくスタイリッシュコメディAVG。
登場するヒロインは、ワガママで感情表現豊かな主人公の義妹・逢魔みゆき、クールで正義感の強い学院理事長鬼熊権蔵の娘・鬼熊エリカ、会員数2名の全日本鬼族解放連盟副会長・千藤比売、封印された酒呑童子を頭領と仰ぐ一党の末裔・アカネ、童顔で学生に間違われる世界一不幸な女教師・パトリシア穂積、世界征服部(旧名称:科学部)の部長でマッドサイエンティスト・遊佐小町ら6人。
また、「稀人」である主人公は、強い精神力で人間に化けているため、ストレスが溜まってくると、理性が保てなくなり、鬼へと戻ってしまう。そうなると、主人公の行動は、非常に奇怪で破天荒になっていく。そうした主人公の行動パターンは出現する選択肢の項目にも影響し、ストレスの溜まっている状態とそうでない状態では、違った選択肢が表示され、シナリオの分岐に大きく影響するぞ。